看護師が仕事中にアクセサリーの着用を禁止されている背景として、身だしなみ的な意味合いが大きいように思われます。実際、看護師と接する患者や家族が、アクセサリーをつけた看護師を見て不衛生だと感じるケースもあり得ます。特に病気や怪我を負った患者は不安を抱えているもの。医療現場で働く医療従事者は、その不安を払拭してくれるような清潔感と安心感を持たせる見た目である必要があります。
また、アクセサリーが禁止される理由として、医療事故を引き起こすリスクが高まるといった観点もあります。例えば、ピアスを落としてしまうと、歩いている人が踏んで怪我をする危険性があります。また、手術中に落としてしまった場合、患者の体内に長い時間留まるリスクも孕んでいます。もしくは結婚指輪で患者の顔や皮膚に傷をつける可能性もゼロではないでしょう。
ネックレスは、患者から見えるようにつけていると、患者に引っ張られてしまうリスクも考えられます。患者を加害者にしないためにも、看護師自身で自己管理するようにしましょう。特に精神病棟の患者は心が不安定でどんな動きをするかわからないため、看護師が被害を受けないよう、アクセサリーは外しておくのがベストです。
そのほか、アクセサリー経由で病気の感染を引き起こすリスクもあるとされています。例えば、結婚指輪やファッション用の指輪をはめていると、そこに細菌が溜まり、院内で病気を蔓延させてしまう可能性があります。病院は病気を患う人々が集まる場所であるため、こうしたちょっとしたリスクにも目を向ける必要があるのです。